フジミ1/24 シルビアハードトップRS後期型(S110)→日産240RS(BS110)


フジミの1/24シルビアハードトップRS後期型(S110)です。
古いキットで再生産を繰り返し長年に渡って売られているものです。もうモールドもダルダルになってますが基本的な外形はそれほど悪くないので手をかけて組むにはもってこいのキット。


仮組み。この時点でちょっとゲンナリするキットです。車高がノーマルといいながら異様に低く、実車通りではありますがひどい引っ込みタイヤ。


板シャーシ。いつもならジャンクから別のシャーシを持ってくるところなのですが、今回は意地でもこの板シャーシを使う事にしてみます。


折角なので日産240RSにしてしまいます。とりあえず削って削って穴開けて、オーバーフェンダー。この時点だとチバラギ車にしか見えませんね。


オーバーフェンダーが大きすぎたので少し切り詰め細切りプラ板を裏の端に貼って厚みをもたせるとともに、車高とトレッド幅も適正にします。急にラリーカーらしくなりました。


このようにしてトレッド幅を片側6mmほど拡げています。大掛かりに改造する場合はこんなやっつけな板シャーシも手がつけやすく逆にメリットになります。


リヤ側は下側に大きく突き出したデフが利用できます。シャフトは別のキットの長ーいやつ(ステージアとかS14シルビアあたりのもの)を何mmかちょん切って何かに流用してたやつがあったので再利用。


パテはどうにも苦手なので溶きパテを多用しています。


そして10日が過ぎ、どうにかここまで。


完成。3週間かかりました。


1979年に登場したS110型シルビアは先代S10シルビアが宇宙船のようなフォルムに計画段階ではロータリーエンジンを搭載するなど前衛的であったものの、出来上がったものはサニーエクセレントベースの半魚人のような顔した変な車という認識で市場に受け入れられず不人気となった反省から、北米市場の意見を多く取り入れたのか当時アメリカで流行っていた記号を多く持つロー&ワイドな姿で、兄弟車のガゼールと共に登場しました。


ただサニーエクセレントからバイオレットにベース車体がサイズアップしてもまだ大柄なボディには小さかったようで、オーバーハングがやたら長くフェンダーアーチの奥にタイヤが付いているバランスの悪さではありましたが角ばった無骨でハッタリの効いたスタイルは人気を博し、若者を中心にヒットしました。


エンジンは排ガス規制から勢いを取り戻しきれていない時期もありパッとしない2リッターSOHCのZ20Eと1.8リッターSOHCのZ18EとZ18キャブ仕様の3種が与えられていました。


1981年に後期型にマイナーチェンジされるとZ18Eにターボが追加され、モデル末期の1982年にはスカイラインRSの2リッター4バルブDOHCであるFJ20Eを搭載するRSが追加されました。モータースポーツでもシルエットフォーミュラで派手はエアロパーツをつけたマシンが活躍し、日産の華やかなりし時代でした。


国内のオンロードレースシーンをスカイラインと共に席巻する一方で、WRCではグループ4からグループBに切り替わるラリー全盛期。日産はA10バイオレットに替えてS110シルビアで参戦すべく、レース用エンジンのLZ20BやLZ24Bを搭載したマシンをグループ4にスポット参戦させたりして様子を伺いながらグループBマシンの開発を進めていました。


そして1983年、グループBのホモロゲーションモデルとして2.4リッターDOHCのFJ24を搭載する240RSが登場し、200台程度が販売されました。


240RSはもうS12型が登場する1983年という時期にあってS110シルビア後期型をベースとしていましたが、大きなオーバーフェンダーやリヤスポイラーを装備する派手な外観の中にオーソドックスで信頼性の高い内容を封した第一線級の戦力をもつマシンでした。


ただ海外ラリー向けの車両なので海外での販売がほとんどであったために日本国内での知名度はあまり高くなく、また日本市場を全く考慮していないが故に排ガス規制の点も割と無視されています。


1983年からグループB終焉となる1986年までの参戦期間の中であまり戦果を残せませんでしたがFRの2WD車でこの時期まともに戦果をあげた車種は他にも無く、時代はすでに4WDの時代でありました。


私が住んでいる所の近所(というほど近所では無いですが…)にある外車ディーラーに037ラリーやデルタS4と共に展示してあるところがあります。




内装。シルビアのまんまで色もグレーバイオレット一色。外装で力尽きたので内装はほぼ素組み。


この車の一番好きな角度。グリルにはメッシュが張ってあるのですが写真だとほとんど見えませんね。


下側はこんな感じ。マフラーとリヤオーバーハングのスペアタイヤの入る張り出しを自作した以外は大体都合によってそうなったという程度。再現度は低いです。


シャーシはご覧の通り。グリルの開口部が大きく奥に光が差すと格好悪いので賢明に塞いだ結果こうなりました。