フジミ1/24 AE86カローラレビン2ドアGT-APEX前期型 |
フジミの1/24AE86レビン2ドア前期型です。 元々古くから3ドアのものが売られていましたが、2ドアのものは今世紀に入ってから新たに金型が作られ生産されたもののようです。しかしシャーシは既存のものでボディのガワだけを2ドアにして売るためボディ形状は元々お世辞にも出来が良かったとは言えない3ドアのものをベースにして全体を合わせているため所々再現性や見栄えの点でおかしい部分があります。 |
上の写真の奥側のアオシマ製3ドアと比較してもルーフの厚みや窓の高さ、フロントマスクが特に目立つので可能な限り雰囲気だけでも近づけるため、窓枠上端を削りフロントマスクにはプラ板をライト&グリルのパーツの上下に挟みます。シャーシはタミヤ製S13シルビアの足回りを強引に取り付け車高を上げつつそれっぽく見せています。 |
完成。パーツの合いが悪くありのまま組むとまともに組みあがらない厳しいキットです。それなのにフジミのAE86は2ドア3ドアそれぞれレビンとトレノ、さらに前期後期とありフルエアロやGTウイング付きetc...おまけに数の出る人気車種。これでは買った人々の印象が悪いと思うのですが… |
ホイールはアオシマの…何だっけ ジャンクパーツの中にあったものなので忘れました。ボルクメッシュ?。 |
実車のAE86についてはアオシマ製3ドアの時に語ったので2ドアについて。古くは初代のカローラのスポーティグレードとして追加されたカローラスプリンターがカローラの2ドアクーペの始まり。それ以前にも2ドアセダンがありましたがいわゆるクーペとは扱いが違い、単なる4ドアの廉価版でした。 |
カローラが2代目になるとスプリンターはトヨタオート店(現在のネッツ店)向けの兄弟車として独立し、その後双方セリカに搭載されていた1.6リッターDOHCの2T-Gを搭載するホットモデルとして2ドアクーペにカローラレビンとスプリンタートレノが追加されました。レビン/トレノの歴史の始まりです。 |
そしてカローラの3代目、レビン/トレノとしては2代目となるTE37(レビン)、TE47(トレノ)に切り替わりますがボディが大きく重くなりやや精彩を欠いた上にすぐに排ガス規制で生産終了してしまいます。しばらくして規制に対応しTE51レビン・TE61トレノとして復活しますがさらにその後の規制に対応するTE55レビン・TE65トレノとなります。 |
カローラの4代目、レビン/トレノとしては3代目のTE71では排ガス規制に対応したため出力やフィーリングが悪化した2T-GEUエンジンがようやく元のスペックを取り戻し、ジウジアーロが関わったとされるシャープなボディと相まって人気となりました。 |
TE71では2ドアはカローラハードトップGTとされ、レビンの名は3ドアクーペの2T-GEU搭載車にのみ与えられました。E70系まではあくまでレビンはカローラの1グレードとして扱われています。 |
そしてFF化したカローラの5代目ではレビン/トレノは独立してFRレイアウトが残され、3ドアリフトバックがハッチバックのカローラFXになりました。 |
レビン/トレノにはカローラのボディバリエーションの内3ドアクーペと2ドアクーペが全車レビン/トレノの名を冠し、ドアサッシの無い開放的なハードトップはボディ剛性に有利なサッシ一体のプレスドアとなりました。 |
当時人気があったのは3ドアクーペの方でしたが、2ドアクーペは3ドアに比して高いボディ剛性からモータースポーツのベース車両として高い人気を持っていました。特に国内ラリーやダートラなどでは2ドアばかりだった記憶があります。その後AE92に切り替わってからは2ドアクーペボディのみが与えられ、レビン/トレノの真髄は2ドアクーペにあると言って良いでしょう。蛇足ですが独立後もレビンの名はあくまでカローラのサブネーム扱いであり、レビンの納税証明書にはカローラCPと書かれています。 |
内装の出来だけはフジミAE86の評価できる数少ない部分。アオシマのは新しいだけに緻密で精巧ですが角ばりすぎている印象。 |
ただインストの塗装指示は黒/グレーの後期型や前期廉価グレードの色なのでアオシマ製のインストを参考に塗装。実車に近くするにはベースがレッドブラウン、明るい部分はレッドブラウン3:オレンジ7くらいの割合にしないといけないようで、実車の写真をみると明るい部分がもっとずっと赤いです。 |
左がフジミ製、右がアオシマ製。縦横比が違うように見えます。 |
後から。2ドアも実車の写真と比較するとトランク部分が前後に短く縦に長いようです。テールランプ間の黒い部分はトランクリッドの下端に貼ってあるだけのガーニッシュであり、実物は赤茶色です。レッドブラウンの上にクリヤーレッドを塗ってそれっぽくしました。テールランプは裏側の色をウィンカーと反射板(バックランプの上の赤が明るい所)が白、それ以外を銀で塗りそれっぽくしてあります。 |
フロントノーズを横から。これは好みが分かれるところ。実車に近いのは左のアオシマ製ですが… |
10年以上前に作ったフジミ製トレノ3ドアと並べてみました。このトレノはノーズ部分をレビン以上に大改造してあり苦労したのを覚えています。 |
後から。このマフラーはフジミからオプションパーツとして売られていたセットに入っていたもの。斜めカチ上げの砲弾型マフラーなんて最近は見なくなりました。後期ボディなのにテールランプが前期なのはこのキットを作った当初はイニシャルD仕様だった名残り。 |
窓の位置が2ドアと違うのに気付いて撮った写真。どうも2ドアの金型作る時に改悪されてしまったようですね。上の後からの写真を見ても3ドアは2ドアほど窓の位置が低くありません。 |