アオシマ 1/24 コロナハードトップ2.0GT前期型(RT140)


アオシマの1/24コロナハードトップ前期型(RT140)です。
キット自体はこのコロナハードトップが登場したばかりの頃からあるもののようで、グレードも最初期の半年しかラインナップされていなかった2.0GT。コロナのプラモ自体がレアですがその中でも2ドアハードトップ、それも2.0GTというのも面白いですね。パーツ点数は少なめであっさりしていますが古いキットの割りに比較的すんなり組む事ができます。


仮組み。同シリーズのセリカXXとシャーシを共用しているのでややオーバースケール気味(T140系コロナハードトップはベースがA60系セリカクーペであり、セリカXXは6気筒エンジンを積むためにFフェンダーアーチとドア前の位置で前後に伸ばされた車です)ですがまあ、そんなに気にはならないかと思います。ヘッドライトはこんな大口開いててそのままだとただの異形2灯になってしまうので加工したいところ。


車高は好みにも拠るでしょうが、そのまま組むとノーマル車高でかつフェンダーツライチになる位置設定。ボンネット前端が高くて尻下がりなのでやや前傾姿勢にすべくフロント側の車高は多少落とした方が雰囲気かと思います。ただしそのための加工は少々の手間を要しますが、2mmダウン程度までならヤスリ一本での加工で済みます。


コーナーマーカー、ヘッドライト、フォグランプの3分割にするためプラ板で隔壁を立て、アルミテープを貼って鏡面をつくります。このキットのランプ類のレンズはなぜか外側にレンズカットの凸モールドがあり、見栄えが悪いので内側にカッターでスジ描いて彫りなおしてやります。テールランプは左右がありモールドのある方を内側にして塗装してしまうと取り付かなくて泣くハメになるので注意が必要です。


マッドガードをプラ板で切り出し接着して再現します。この時代の車はこれがあると一層雰囲気です。


あらかた外装の塗装が完了。大体雰囲気が出てきましたがメッキモールが無いとこの車は雰囲気が足りないしシルバーで塗装するとショボいのでアルミテープの細切りをチマチマ貼って再現してゆきます。


内装を作り、メッキモールを貼り、アオシマAE86の余りパーツのドアミラーを装着。フェンダーミラーの穴は当時のフェンダーミラー車にドアミラー装着の例に倣い穴の上に小さなプレートを貼ります。内装はほぼ素組みですがハードトップでありBピラーが無くその周辺が目立つのでそのあたりにぶら下がるシートベルトをプラ板で作ってやります。


デカールを貼り、スミ入れをして完成。デカールといってもトランク後端の車名とグレード名しか貼るものがありませんでした。ナンバープレートのデカールはこのキットには入っていなかったのでプレートだけ装着。


1982年1月に登場したT140系コロナはそれまでのコロナに持たれていた「ダサくて地味なオッサン車」のイメージを払拭すべく、ややアクの強い角ばったスタイルを与えられました。


コロナには主力となる4ドアセダンの他に、T40コロナの頃からセンターピラーの無い2ドアハードトップが連綿とラインナップされていましたが所詮はセダンがベースであったため全高が高くスポーティさに欠いていたため、これもイメージ一新のため前年に登場したA60セリカをベースに低く構えたスポーティなボディが与えられました。


駆動方式はFRで、エンジンは当初1.8リッターSOHCの2Sと旧来の2リッターDOHCの18R-GEUがあり、当キットはこの2リッターを積む2.0GT。


1982年の9月には2.0GTに替わって1.8リッターのツインプラグDOHCターボである3T-GTEUを搭載するGT-TとGT-TRがラインナップされました。後に後期型になると1.6リッターの4バルブDOHCである4A-GEUを搭載する1.6GTも追加されます。


81年に登場し一世を風靡した初代ソアラと似た記号を与えられており当時プアマンズ・ソアラと揶揄されました。実は価格はそんなに離れていなかったのですが…(ソアラ2.0VT166.2万円〜2.0VX226.8万円・2.8GT266.7万円、コロナHT1.8GX125.2万円〜2.0GT182万円)


正面前。スポーティなセリカに対しラグジュアリーな位置付けなのかメッキモールが多く配されています。


正面後。コロナハードトップのあまり好かれていなかったと思われる特徴的な縦型のテールランプ。


コロナも時代の趨勢に従いこのT140系を最後にFRからFFに切り替わり、モデルライフの途中である1983年にはFFのT150系コロナがラインナップされセダンの方から車種整理され主力がFFへと移行してゆきます。そのT150系はパッとしなかった140系よりも保守層を中心にヒットしましたがその後10数年経ちプレミオに切り替わるまでひたすら地味街道を突き進む事となります。


コロナハードトップはその後1985年にFFに切り替わったセリカ(T160系)の兄弟車・コロナクーペとして、セリカの輸出仕様である2ドアクーペのボディに専用のフロントマスクを与えられた日本専売モデルとして残りましたが1代で終わりクーペ風ピラーレス4ドアハードトップのコロナEXIV(エクシヴ・T180系)にバトンタッチ。さらにその後カレン(T200系)として復活しますがそれも1代限りで消えてゆきました。


短命に終わったT140系ですがセダンの方はタクシー仕様がその後も長らく小型タクシーとして活躍しており、1998年まで生産されていたそうです。


内装。ダッシュボードの横幅が大きすぎるので左右あわせて計4mm程切り詰めないとボディがはまりません。やはり基本的にコロナではなくセリカXXの内装です。色は黒ベースにライトグレーのツートーン。何も無いところからATレバーが生えてるのがちょっと残念。何かしら加工してやればよかったかも。


特徴的なA60系/T140系の純正ホイール。キットのタイヤはパルサーエクサに付いてたものと同じもので、ややバリが多いですが旧車に履かせるには悪くないタイヤです。


80年代のレア車好きが軽くプラモ集めだすと入手の容易さからこのコロナHTに行き着くと思います。さほどスキルを要せず、それでいて手をかけるほどに雰囲気が増すので中々悪くないキットと思います。


ただ、写真がヘボく見えるのは私のスキル不足です…