タミヤ1/700 駆逐艦 松

タミヤ1/700ウォーターラインシリーズの駆逐艦松です。



松は戦時量産型である松型駆逐艦のネームシップ。松型駆逐艦は太平洋戦争のさなか消耗してゆく駆逐艦を補充するため、大型でコストも時間も掛かる新鋭の夕雲型や秋月型とは別に小型で生産性の高く、またダメージコントロール性においても改善された艦です。小さい事と名前から若竹型などの二等駆逐艦と同列と思われがちですが、れっきとした一等駆逐艦であり、サイズ的にも睦月型やその前級の神風型に近い、排水量1262t/全長100mというサイズ。



箱下面の塗装図。タミヤウォーターラインのお約束としてリノリウム色が省略されています。



箱の中身。ちんまりしており、ディテールアップパーツは付属しません。元々ウォーターラインシリーズの松はフジミ製で(No.37)、フジミ脱退後にタミヤが代わってリニューアルしたものなので比較的新しめのキットとなっています。





説明書。正方形に近い1枚紙で、組み立て図からもパーツ点数の少なさがうかがえます。



ランナーは2枚、旗は紙シール。バラストは付属しません。



モールドは結構しっかり入っており、オーバーディテールの類とはいえショボさはありません。



バラストが無いのでとっとと船体パーツと艦底パーツを接着します。甲板が別パーツだったりもしないので何も考えなくてOK。



リノリウム色は指定が無いのでググってみたところ、甲板上の鉄板風モールドが無く平滑面である部分、砲塔の後ろから段が下がるところまでと、後部甲板の砲塔周辺。一説には戦時急造型の小型艦はリノリウムが貼られていなかったとか、貼ってあったけど剥がしたとかあまりハッキリしていませんが、甲板のリノリウムは断熱の役割もあるので気持ち的には貼ってあった事にしたいもの。(南洋の海上に照らされる強烈な日差しで鉄板むき出しの甲板がどれほど熱くなるかは、真夏に日なたに置いてた車の外板を触ってみれば想像がつくかと思います・・・)



タミヤらしくパーツの合わせも良く、手こずる所も無く、あっという間に組みあがります。余るパーツは単装機銃くらいですが、これは小さくて失くしやすいので予備だと思いましょう。ボートダビッドも小さい「許されざる角度」に曲がったただの棒なのでこちらは予備が無いため失くさないよう注意しましょう。





エナメルジャーマングレーでウォッシングして完成。ゲームしながら朝始めて昼前に完成しました。





小さいなれどシルエットは戦闘艦らしい姿。





目線を下ろして観察。ちょっと砲塔が大きいのが可愛らしいです。



艦首〜艦橋。砲塔は12.7cm単装高角砲。砲塔後面がオープンタイプとなる対空対応の高角砲。艦橋の前には25mm3連装機銃、艦橋の左右に計4基の25mm単装機銃。艦橋の後方上には特徴的な形状をした22号電探(ラッパのようなものが縦に2つ並んでいるもの)も見えます。



2本の煙突の間には61cm4連装魚雷発射管と2基の25mm3連装機銃、その左右舷に計2基の25mm単装機銃。後部マストの直後にも25mm3連装機銃があります。後ろ側の小船はやや大きいですが、これは上陸用舟艇である小発動艇(通称「小発」)で、カッターや内火艇とは用途が違うものです。これは戦局の悪化により防御力の低い輸送艦の行動が制限されたために小規模の輸送を駆逐艦などが行っていたからでしょうか。



艦尾付近。こちらにある砲塔は中〜大型艦によく装備されている防盾の無いタイプの40口径八九式12.7cm連装高角砲。このように、搭載兵装は数こそ少ないものの通常の駆逐艦と同等のものが積まれている事がわかります。



睦月型駆逐艦・長月と。サイズ的にはほぼ同じ。ただし機関の出力差は倍ほどあり、睦月型の速力が37.25ノットなのに対し、松型駆逐艦は27.8ノットと駆逐艦としてはかなり鈍足になります。



駆逐艦4隻。手前から松・長月・子日・吹雪。



全長の違いがよくわかるように撮影。



小さいながら作りやすくディテールも割りとしっかりしてる良キットです。息抜きに。
タミヤのディスプレイケースを買ってみました。艦船プラモにはあまり向いていないのか複数艦飾れるものの入る艦サイズは長さ的に5500t型軽巡洋艦くらいまで。この手のケースはサイズが色々あるのでもっと都合の良いものがあるかもしれません。このケースは中の全長が24cmほどですが、重巡なら最低30cm、40cmあれば戦艦大和でも入るハズ。